受賞作品のアニメ化・書籍化が確約される文芸賞「アニメで世界へ!小説大賞」の結果が発表された。
「アニメで世界へ!小説大賞」略して「アニセカ小説大賞」は、アニメーションの企画・製作を行うツインエンジンと、IP プロデュース・作家マネジメントを行うストレートエッジが主催する今年初開催の文芸賞。選考にはゼクシズ、WIT STUDIO、スタジオコロリド、teamヤマヒツヂ、NUT、ジェノスタジオ、studio daisy、Peakys、スタジオカフカ、BUG FILMS、スクーターフィルムズ、OUTLINE、チームOneOne、NAGOMI、くるせる、EOTAが参加した。また協力企業として実業之日本社が受賞作品の書籍刊行を担当する。
応募作品の総数は6000以上。大賞にはぷり「【私のおふるで悪いんだけど】 とお母様(ヒロイン)に取り巻きを押し付けられ、嫁いだ辺境でも嫁扱いされませんが、おかげで自由に生きれます!」、特別賞には夏目ナナセ「ダンジョンすみっこぐらし~実力無自覚系配信者を世間は必死で探し出す。早くダンジョンから出てきて!?~」、宮前葵「美貌の少年の家庭教師をしていたらイケオジ侯爵にプロポーズされたんですが?」の2作品が選ばれた。
「アニメで世界へ!小説大賞」受賞作品
大賞
タイトル:「【私のおふるで悪いんだけど】 とお母様(ヒロイン)に取り巻きを押し付けられ、嫁いだ辺境でも嫁扱いされませんが、おかげで自由に生きれます!」
作者:ぷり
主催者講評
実母の王妃によって王宮を追われたお姫様が、追放先の辺境で幸せを掴むラブロマンス作品。
不遇な状況でも、魔法で命を吹き込んだぬいぐるみと困難を乗り越え、次第に周囲の信頼をあつめ幸せを手にする展開は、軽快かつどこかおとぎ話のような優しさに溢れた作品です。
映像化した際に、この心温まる世界観は多くの方の心を掴むのではないかと、大賞受賞の大きなポイントとなりました。
悪役令嬢、婚約破棄、スローライフといった要素を喧嘩させることなく作品に盛り込めているため、たくさんの面白さが詰まった作品となっています。
お転婆なお姫様とぬいぐるみが幸せに向けて愉快に奔走するマリッジストーリーをぜひお楽しみください。
特別賞
タイトル:「ダンジョンすみっこぐらし~実力無自覚系配信者を世間は必死で探し出す。早くダンジョンから出てきて!?~」
作者:夏目ナナセ
主催者講評
突如としてダンジョンが現れた現代世界で、『ダンジョンすみっこぐらし』チャンネルの配信を行うスミさんの無双っぷりとコメディ要素を掛け合わせた作品。
展開の粗さはありますが、「勘違い無双」「視点ギャップコメディ」「クラフト&街づくり+超最強」といったライトノベルとしての魅力がふんだんに詰め込まれており、非常に楽しく読ませていただきました。主人公のスミさんの無自覚トンデモ行動を配信視聴者と一緒になって突っ込めるコミカルさを評価する意見が多かったです。
まだまだ改善が必要な部分はありますが、作品の可能性を評価し、特別賞となりました。
特別賞
タイトル:「美貌の少年の家庭教師をしていたらイケオジ侯爵にプロポーズされたんですが?」
作者:宮前葵
主催者講評
婚期を逃しつつあった伯爵令嬢シェリアーネがイケオジ侯爵に彼の息子の家庭教師を依頼されるところから始まる、破天荒な活躍ぶりとロマンスを楽しむ作品。
やや駆け足で進むところもある物語展開ではありましたが、まず何より主人公のシェリアーネが魅力的で印象に残りました。恋愛と、その障害として立ち塞がる事件の解決という主軸がしっかりしているため、書籍化やその先の広がりもイメージしやすいものがありました。
テンポよく話が進み、どういうゴールに向かうのか予測できない面白さに対する評価も審査時には多く聞くことができました。
この作品が持つポテンシャルを評価し、より完成度を高めた書籍として読者に届けられればと思い、特別賞という形での結果となった次第です。
(コミックナタリー)