


龍と虎、獲物と捕食者の関係。
ふたりを繋ぎとめるのは、狩猟本能? それとも……。
©Hachi Inaba
とある山中、虎が捕らえた獲物……それは今やその姿を見かけることが殆どなくなった一匹の龍でした。獲物と捕食者の関係だった二匹は、奇妙な縁から一緒に旅を始めます。その旅の目的とは──。
他に類を見ない世界観と表現力が際立つ一作!台詞に頼らず、表情で描かれる感情の機微が、人の姿でも動物の姿でも同じくらい伝わってきます。また、旅の途中で出会う虎や龍以外のキャラクターたちも魅力的で、物語は次第に群像劇的要素を含んでいき、奥行きのある世界観へ引き込まれていきます。次はどの子が表紙になるかも楽しみのひとつです!

テンポ良し◎ 機嫌良し◎
《推し》を見ていただけなのに…?
©mememe/リイド社
河内くんは同じ学年の松本くんが「推し」。推しに認知されるつもりはなかったのに、ある日松本くんに絡まれてしまい──?
関西弁の男子高校生たち、終始しゃべりまくりノンストップ!ボケに対しては一緒に「なんでやねん!」とツッコミたくなること間違いなし!まさにボーイズ・ライフの真骨頂なのでは……?
思わず声に出して言いたくなるようなワードセンスの数々もたまりません。シンプルでおしゃれな装丁そのままに、空気感までまるごと愛せる1冊です!

話題沸騰ノスタルジック・恋愛ドラマ
©コマkoma/芳文社
ある日、農家の娘・花の自宅を訪ねてきた軍服姿の青年・誉。彼は今日が祝言の日だと聞いてやって来たというのですが……。
素朴で初々しいやり取りに心が和む一方、軍人である誉の過去や時代背景が影を落とし、ふと胸が締めつけられる瞬間も訪れます。季節の移ろいを感じさせる表紙もまた印象的!可愛らしさとノスタルジーと切なさがぎゅぎゅっと詰まっていて表紙から彼らの思い出のアルバムを眺めているような気持ちになります。

高校演劇漫画の新たなる金字塔!
「CHANGE THE WORLD」©田川とまた / 小学館
劇作家志望の主人公・浜野陽太が、天才的な演技力・表現力を持つ少女と出会うことで、物語が大きく動き出します。
「いつか、僕はこの拳で、一発、世界をぶん殴ってやりたいんです。」
その言葉どおり、紙面から迫真の演技が飛び出してくるかのような感覚に圧倒されました。演劇には詳しくないのですが、それでも演劇で世界を変えようとする彼らの姿に、俄然興味が湧いてくる作品です。むしろ詳しくないことが悔しくなるほど、彼らから届けられる演劇への情熱は凄まじく、眩しく映ります。
そして、シンプルがゆえにお気に入りの裏表紙!ぜひあますことなくお楽しみください!

完璧を装う男女のだまし合い(?)ラブ、始まる―!!?
『恋せよまやかし天使ども』©卯月ココ/講談社
常に完璧美少女を演じてきた桂おとぎ。学園での異名は“心撃の天使(エンジェル)”。けれど、本当は誰にも見せないはずだった裏の顔を、気になっていた完璧男子・いっこくくんに見られてしまい……。
パステル調の中にパキッと映える黒の衣装が素敵な表紙。読めば非常に健康に良い、キュンの嵐。
大反響も納得の一作で、読者の皆様もきっとこの「まじか」のシーンの破壊力にしばらくやられていたのではないでしょうか。いっこくくん、あなたはもうすでに心撃の天使に撃ち抜かれています。早く認めてください。
完璧男女の攻防戦から、まだまだ目が離せません!

「恋人」でも「セフレ」でもない
一緒にごはんを食べる“だけ”の関係
©さのさくら/幻冬舎コミックス
平凡な大人女子と爬虫類顔ピアス男子。マッチングアプリから始まった二人が、ごはんを共にしながら仕事や人間関係を少しずつ語り合う“飯フレ”関係を描く一味違うごはんマンガ!恋人でもセフレでもない、肩肘張らない距離感の心地よさが読んでいるこちらまでも伝わってきます。多様多様と叫ばれる昨今、必ずしも価値観をアップデートする必要はなく、ただ考え方の引き出しを増やすような受け止め方に「なるほど」と頷かされます。そして表紙からも分かるように優しいタッチの料理描写も相まって食欲をそそられる作品です!

まぼろしに、恋をした――恋に夢見るドリーミング・ストーリー
「ユメかウツツか」©咲坂伊緒/集英社
人見知りで口下手な宝生いろはは、不機嫌に見られてしまいがち。高校に入学してもクラスに居場所を見つけられずにいます。そんな彼女にとって、唯一心を許せる存在が「先輩」でした。
1話を読んでタイトルの「ユメかウツツか」に納得!「え、あ、そういうこと!?」となるので、ぜひ本編でお確かめください♪
切なくも淡い青春のあの空気感が表紙からも滲み出ていてドキ・ソワ・キュンの三拍子にまんまと吸い寄せられました。まぼろしに、恋をした――恋に夢見るドリーミング・ストーリーをご堪能ください!

「母をたずねる」ダークファンタジー
「魔物の国」©みつたに / 小学館
主人公・ラビの住む城は、「狼の魔物」アルフルの襲撃を受け、ラビの母親の遺体を奪われてしまいます。物語は、その遺体を取り戻すために、ラビが「8人の魔物」を捜す旅へと踏み出すところから始まります。
物語全体は死の存在を近くに感じるものでしたが、そうした空気と対比するかのような最終話の演出が印象的でした。登場する魔物たちも親しみやすさよりも畏怖を覚える存在として描かれており、この世界観を強く印象づけています。本作のようなダークファンタジーに巡り会える機会はそう多くないだけに、物語がここで終わってしまうことに、名残惜しさを感じずにはいられません。1巻の力強い主人公からの視線と目が合った方は、ぜひ一度手に取ってみてください。