空っ風 吾郎さんがつけた評価
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春の風に飛ばされた主人公の帽子を拾った男性が、彼女の心身を手に入れる話。
初めての男性は、平凡だけど真面目で誠実、彼氏から夫となった男性。そんな夫と穏やかな新婚生活の日々。
そんな翌春にまた帽子を飛ばされて、今回拾ってくれた男性は、夫と違って身体からして大きく、力強く強引にそのまま押し倒しされてしまう。彼によって夫では味わえない悦びを知ってしまった主人公は…
最後のシーンを含め、まるで映像化された小説を読んだような感覚になりました。人物だけでなく背景も含め、丁寧に描かれていて、繰り返しになりますがまるで映像を観ている感じでした。加えて、ストーリーも寝取られものには違いないのですが、寝取った男がゲス野郎としてではなく、雄を感じさせる力強い男として登場させ、平凡な優しい夫との違いをうまく表現、そこに主人公の心の葛藤なども加わって、単に夫や彼氏から以外に堕とされた感がないのもこの作品の際立った良さだと思いました。(閉じる)
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