ヨルさんがつけた評価
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コミックを通しで読んだ事がなかったのですが、絵の印象が鮮烈に残っていました。冒頭、自転車の紅緒と少尉の出会いがこんなにコミカルで面白かったなんて知りませんでした。今まで読まなくて損してた気分です。自転車スイスイ→毛虫たらーん→転んだ紅緒に声を掛ける少尉にドキドキするの?と思いきや。(なによこの男)だって。反応がかなり面白い。ハンドルだけになった自転車で立ち去ろうとしてた紅緒に爆笑の少尉。笑いを止めて差し上げますと、思い切りビンタくらわして。こんなにギャグチックで面白い始まりだなんて予想外でした。少尉は笑い上戸だったんですねぇ。シベリアに行ってから後がずっと苦しく切ない。二人が一緒にいられたのは初めの頃だけで、それから長い間離れ離れになってしまうとは。少尉も紅緒さんも優しすぎて、そんな非情な運命を受け入れようとしてしまう。どうしようもないのだと頭では思っているのに、思わず紅緒を抱きしめてしまった少尉の苦しみにも、ラリサの境遇・病状と、少尉が恩人を見捨てられないであろう事を悟って身を引く決意の紅緒にも、胸が締め付けられる思いで読みました。紅緒は少尉を赦せなかったのでは無いけれど、その事を知っているのが蘭丸だけなのが悔しくて悲しかった。軍服で変装までして少尉を家に戻してあげるんだから。少尉よ、咽び泣いてくれと思ったよ。冬星に紅緒と結婚する事を暗に告げられた時の少尉の絶望と、紅緒の結婚式の当日に見せた「心ここに在らず」な様子が痛々しくて、鬼島同様「どうにもならないものか」と思わずには居られない。ラリサにはモヤるけど、二人がどうにかなる為には彼女が消える(死)のを待つ事になり…他人の死を願うなんて人としてどうかと思うし。冬星さんも報われて欲しかったが、最後にあの火事の最中に抱き合う二人を見ればやはり、紅緒の相手は少尉でしかないなと思わされました。
この設定の妙は凄いです。これぞ名作です。ちょっとわちゃわちゃと読みにくい部分もあるけれど、それも味わい深い。電子版で過去作品が読める幸せに、改めて有難うと言いたくなります。劇場版アニメは二人の心情がかなり省略されてたり変わってたりと、時間制約とクオリティに虚しさを感じたものです。
若い方にも原作を是非、時代を感じながら読んで欲しい!ほんとに素晴らしい作品です。(閉じる)
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